サンクトガーレンは2010年ブルワリー・オブ・ザ・イヤーという賞を頂きました。
その賞は年間のビール醸造量によって4部門に分けられており、サンクトガーレンが受賞したのは上から2番目のミドルスケール部門です。
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【2010年ブルワリー・オブ・ザ・イヤー】
■ヘビースケール:Heavy Scale Brewery部門
(年間1300KL以上の醸造会社)
「株式会社ヤッホー・ブルーイング よなよなエール」
受賞理由:全国への流通、ネット販売での地ビールの普及に貢献した。
長野県での植林など、地域に貢献している。
■ミドルスケール:Middle Scale Brewery部門
(年間200~1299KLの醸造会社)
「サンクトガーレン有限会社、サンクトガーレン」
受賞理由:多くのメディアで紹介された他、ユニークな商品開発を行って前例のない販路へ地ビールを進出した。
■ウェルタースケール:Walter Scale Brewery部門
(年間61~199KLの醸造会社)
「株式会社玉村本店、志賀高原ビール」
受賞理由:ホップの栽培研究に熱心に取り組み、そのノウハウを他社にも積極的に提供している。
■バンタムスケール:Bantam Scale Brewery部門
(年間60KLまでの醸造会社)
「城端麦酒有限会社、城端麦酒」
受賞理由:富山のタナバタ・ビアフェスタなどのイベントに積極的に出店し、地方での地ビール普及に貢献している。
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ここまで読んで、地ビール事情に詳しい方なら「あれ?」と思う部分があるはずなんです。
日本でビール免許を取得するための年間最低醸造量は60KL。1年間で60KL以上のビール、つまり大瓶換算にして1日約300本のビールを造って、売る能力が無いとビール造りは許可できません、ということです。
ところが、ブルワリー・オブ・ザ・イヤーの1番下「バンタムスケールブルワリー部門」の醸造量に注目して下さい。
あれ?
年間60KL以下?
そうなんです。
これ、決して入力ミスではありません。
この部門に属する地ビール会社は少なくないのですが、実はこの部門に属する地ビール会社はビール醸造免許を持っていません。
では、無許可でビールを造っているのか?
それも違います。
実は、発泡酒免許でビールを造っています(厳密には地発泡酒)を造っています。
ビールの年間醸造量は60KL以上と定められているのに対し、発泡酒免許の場合は年間に6KL以上の醸造で取得が可能。その量ビールの10分の1。大瓶換算すると1日の製造・販売目安のノルマは30本です。
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