クラフトビールとは


【1】工業製品のように大量生産されるビールに対して、小規模で生産されるビールを手工芸品(craft)に例えて使う言葉。
【2】クラフトマンシップ(craftsmanship/職人技)で造られるビール。ビール職人の手造りビール。
【3】1度衰退した“地ビール”との差別化のために使う場合もある。


日本にはクラフトビールに明確な定義はありませんが、一般的に1994年の酒税法改正(地ビール解禁)以前よりあったアサヒ・サッポロ・サントリー・キリン・オリオンの5社を大手ビールメーカー、それ以降に誕生したビールメーカーをクラフトビールメーカーとして区別している傾向があります。
2013年頃までは " クラフトビールメーカーの造るビール = クラフトビール " でしたが、2014年頃から大手ビールメーカーの造るクラフトビールが続々と誕生しており、「クラフトビールとは何か?」という質問への回答はとても難しいものになっています。

クラフトビールと地ビールの違い

サンクトガーレンのビールはクラフトビールであり、地ビールでもあります。
クラフトビールと地ビールは呼び方が違うだけで、基本的には同じものだと私たちは考えています。

強いて言えばクラフトビールのほうが2010年頃から広まった新しい呼称です。
現在の日本にはクラフトビールにも、地ビールにも明確な定義はありません。

TIME、NEWSWEEKの記事

■地ビールの誕生

1990年代はじめまで、日本には5社(アサヒ、サッポロ、サントリー、キリン、オリオン)しかビール会社がありませんでした。お酒を製造するには国に許可をもらわないといけませんが、この頃は大手メーカーにしかビール造りが許されていませんでした。

だからサンクトガーレンは、アメリカでビール造りをはじめました。現地で売って、日本にも逆輸入。その様子はTIMEやNewsweekなどのアメリカメディアで話題となります。

それが日本のメディアに飛び火し「日本人が日本でビール造りが出来ないのはおかしいのでは?」と世論を巻き込み、ついに国が動きます。

1994年、酒税法改正。ビールの年間最低製造量が2000キロリットルから60キロリットルに引き下げられ、日本各地に小さなビールメーカー(Microbrewery/小規模醸造所)が多数誕生します。

サンクトガーレンの歴史についてもっと詳しく知りたい方はこちら

当時、小さいメーカーのつくるビールには呼び名がありませんでした。ある新聞社の方が「地酒のビール版 "地ビール"」として紹介したことから、1994年を地ビール解禁元年として一気に盛り上がりを見せました。


料理通信2012年1月号

■クラフトビールブーム

爆発的に広がった地ビールブームは2000年頃から衰退します。
ブーム終息後も地ビール会社は技術力を磨く努力を続け、2010年頃から再び脚光を浴びるようになります。

この頃から地ビールよりも、クラフトビールという呼称が使われることが多くなります。
クラフトビールという呼び名が世間に広まったきっかけは何個かあります。

2011年、クラフトビアマーケットの1号店がオープン
30種類の樽生クラフトビールを480円/780円の統一価格で販売するビアバー「CRAFT BEER MARKET」の1号店、虎ノ門店がオープン。
これにより、大手メーカーのビールよりも高価でやや敷居の高いイメージのあったクラフトビールの裾野が一気に広がります。
お店の人気とともにクラフトビールの呼称も浸透していきました。現在(2018年2月時点)で
クラフトビアマーケットは11の店舗があります。
クラフトビアマーケット神田店はサンクトガーレンの常設店です

2012年1月号の料理通信で『満席の「ビアバル」と、クラフトビール。』特集
恐らく一般メディアではじめて明確に「クラフトビール」という言葉が使用されたのがこの雑誌です。(サンクトガーレン調べ)
以降メディアでもクラフトビールという単語が定着していきました。


2014年、大手ビールメーカーのクラフトビール参入
アメリカではクラフトビールには小規模であることが定義付けられています。サンクトガーレンもそこが大手ビールメーカーとクラフトビールメーカーの境界線になりうると考えています。
しかし現在の日本にはクラフトビールの定義がないため、2014年頃から"大手ビールメーカーのつくるクラフトビール"が続々と誕生します。そのため「クラフトビールとは何か?」という議論が活発になります。

大手メーカーのつくるクラフトビールは、本来の小規模クラフトビールと区別するために「Crafty Beer(クラフティビール/クラフトビールっぽいもの)」と揶揄されることもあります。しかしGoogleトレンドで見ると大手ビールメーカーがクラフトビールに進出を表明した2014年を境に「クラフトビール」が「地ビール」を上回るようになります。実際に進出を果たした2015年にはこの傾向がより顕著になっており、大手ビールメーカーの参入がクラフトビールブーム盛り上げの一助を担ったことは間違いありません。